開発者の皆さん、こんにちは!
この記事では、【GettingStarted with IRIS】シリーズの MQTT アダプタを簡単に試せるサンプルの利用方法についてご紹介します!
(MQTTブローカーはインターネット上に公開されているテスト用ブローカーを利用しています)
サンプルは、こちら👉https://github.com/Intersystems-jp/Samples-MQTT-EKG-Devices (コンテナで動作します)
IRIS/IRIS for Health のバージョン2020.1から、IoT の世界でよく利用される MQTT プロトコルに対応できる MQTT アダプタが追加されました。
MQTTインバウンドアダプタでは、メッセージの Subscribe が行え、MQTTアウトバンドアダプタでは、メッセージの Publish が行えます。
サンプルでは、MQTT を使った遠隔モニタリングをテーマに、患者さんに装着した心電図から心拍数(BPM)をリアルタイムに近い状態で取得し、モニタ画面に患者さん毎の心拍数を表示します(IRIS の MQTT インバウンドアダプタを利用したメッセージの Subscribe をご体験いただけます)。
Publish されるトピックについて
サンプルでは、演習環境毎にユニークになるようにコンテナ開始時に以下の形式でトピックを作成しています(末尾の # はワイルドカードの指定です)。
/Student_4629/acmeHospital/EKG/#
実際に Publish されるトピックは患者さんに装着した心電図のデータになるので、# の部分は、Patient-1 や Patient-2 などのように患者さんを特定できる文字列が入ります。
サンプルのシナリオは、1つの医療機関の患者情報を取得する流れにしています(本来であれば複数の医療機関の患者情報をモニタできるようにしたほうが良いのですがシンプルに試すため、1つの医療機関の患者情報を取得する流れにしています)。
トピックの流れ
サンプルには1つHTMLファイルが用意されています。このファイルをブラウザで開くと MQTT ブローカーに接続し、データ(心拍数)を1秒ごとにブローカーへ Publish します。
IRIS は、MQTTブローカーから指定のトピックを Subscribe します。
MQTT ブローカーを Subscribe する設定を行った IRIS のサービスは、ブローカーからトピックを取得します。
実際の設定は以下の通りです。
受信したトピックは IRIS の中ではメッセージ(EnsLib.MQTT.Message)として扱われ、次のコンポーネントであるプロセス(図では Process_MQTT_Request)に渡します。
プロセスでは、受信した MQTT 用メッセージからモニタ表示に利用するデータ(Solution.HeartRate)に変換するため、データ変換を呼び出します。
プロセスエディタの開き方と、中で行われているデータ変換の呼び出しの設定を確認する方法は以下の通りです。
患者ごとの測定値を参照する流れ
MQTT ブローカーから Subscribe した心拍数をリアルタイムに近い状態で画面表示するため、データ変換で作成された Solution.HeartRate から1秒ごとに患者ごとの心拍数を収集し、画面に表示しています。
この表示を行うため、1秒間隔で Solution.HeartRate に対するSELECT文が実行されています。
このクエリを実行しているのが、メトリックと呼ぶクラスです。プロダクションでは以下の場所に設定されています。
メトリックでは、指定の呼び出し間隔で Solution.HeartRate から患者ごとの BPM を収集しています。詳細はソースコードをご参照ください。