IRISで使用できるユーティリティ一覧
InterSystems IRIS で使用できるユーティリティの一部を一覧でご紹介します。
以下の表の各ユーティリティ名をクリックすると、ユーティリティの詳細情報をご覧いただけます。
ユーティリティ名 | 概要 |
^BACKUP | バックアップやリストア処理を行います |
^DATABASE | データベースの作成・編集・削除など、データベースの管理を行います |
^DATACHECK | 2つのIRIS.DAT の内容が一致しているかを確認します |
^DBSIZE | データベースサイズを計測します |
^GBLOCKCOPY | データベース内のグローバルデータを別データベースまたはネームスペースにコピーします |
^GETPPGINFO | IRISTEMPデータベースでどのような一時グローバルを使用しているかを確認します |
^%GCMP | 2つのグローバルの内容を単純比較します |
^%GSIZE | ネームスペース内の各グローバルのデータサイズを確認します |
^INTEGRIT | データベースのセット、またはデータベース内のグローバルのサブセットの構造的な整合性を検証します |
^JOBEXAM | プロセス一覧を表示します。各プロセス詳細情報の表示や停止も行えます |
^JOURNAL | ジャーナリングを構成します |
^LOCKTAB | 現在使用しているロック情報の表示と削除を行います |
^mgstat | サンプリング周期単位でグローバルアクセスのカウンター情報を連続してファイルに記録します |
^MIRROR | ミラーリング構成、管理、およびステータスの操作などを行います |
^MONMGR | メッセージログ(messages.log)を監視して通知を生成したり電子メールを送信します |
^SECURITY | IRISセキュリティが適切に機能するのに必須のデータの設定とメンテナンスを実行します |
^%SS | プロセス一覧を表示します(参照のみ)。 |
^SystemCheck | IRISが使用しているプロセスの状態や共有メモリなどの情報収集を行います |
^SystemPerformance | IRISおよびインスタンスが稼働するプラットフォームに関する詳細なパフォーマンスデータを収集します |
^TASKMGR | タスクのスケジュールや管理を行います |
※%付きのユーティリティ以外はすべて %SYS ネームスペースで実行する必要があります。
※管理ポータル: は、管理ポータルから実行できる対象機能になります。
※★<ユーティリティ名> をクリックすると製品ドキュメントの説明をご覧いただけます(一部記載なし)
★^BACKUP
バックアップやリストア処理を行います。
^BACKUPユーティリティには以下のようなメニューがあります。
%SYS>do ^BACKUP
1) Backup // データベースのバックアップを行います
2) Restore ALL // すべてのデータベースのリストアを行います
3) Restore Selected or Renamed Directories // 選択したデータベースのリストアを行います
4) Edit/Display List of Directories for Backups // バックアップに必要なディレクトリ・リストの編集/表示を行います
5) Abort Backup // 実行中のバックアップを中止します
6) Display Backup volume information // バックアップ・ボリュームに関する情報を表示します
7) Monitor progress of backup or restore // バックアップまたはリストアの進行状況を監視します
管理ポータル:
システムオペレーション > バックアップ【ご参考】
データベースのバックアップについて(InterSystems Symposia 2014)
累積バックアップと差分バックアップの違いについて
稼働中のインスタンスを停止せずにバックアップを行う方法
データベースのバックアップ方法について
★^DATABASE
データベースの作成・編集・削除など、データベースの管理に使用します。
^DATABASEユーティリティには以下のようなメニューがあります。
%SYS>do ^DATABASE
1) Create a database // 新しいデータベースを作成します
2) Edit a database // 既存データベースの属性を変更します
3) List databases // データベースの一覧を表示します
4) Delete a database // 既存データベースを削除します
5) Mount a database // データベースのマウントを行います
6) Dismount a database // データベースをディスマウントします
7) Compact globals in a database // データベースのグローバルの圧縮を行います。この機能は使用可能バージョンに制限(※)があります。
8) Show free space for a database // データベースの使用可能な空き容量を表示します
9) Show details for a database // 指定されたデータベースの詳細情報を表示します
10) Recreate a database // 既存のデータベースのパラメータに基づいて、新しい空のデータベースを作成します
11) Manage database encryption // データベース暗号化の管理を行います
12) Return unused space for a database // データベースの未使用領域を解放します
13) Compact free space in a database // データベースの空き容量を圧縮します。この機能は使用可能バージョンに制限(※)ががあります。
14) Defragment a database // データベースのデフラグを行います。この機能は使用可能バージョンに制限(※)ががあります。
15) Show background database tasks // バックグラウンドのデータベースタスクを表示します
※制限:圧縮やデフラグの機能は、ご利用のバージョンによって使用できない場合がありますのでご注意ください。
詳細はこちらをご覧ください。
管理ポータル:
システム管理 > 構成 > システム構成 > データベース 【ご参考】
データベースファイルのサイズを圧縮する方法
ターミナルやAPIを使用してネームスペースやデータベースを作成する方法
プログラムでデータベースを マウント/ディスマウント する方法
★^DATACHECK
2つのIRIS.DAT の内容が一致しているかを確認します。
【ご参考】
2つのデータベースにある複数のグローバルやルーチンを比較する方法
★^DBSIZE
データベースサイズを計測します。
例えば、バックアップを実行する直前に、バックアップに必要なディスク領域を計算するのに使用します。
【ご参考】
オンラインバックアップでのバックアップサイズを見積もる方法
★^GBLOCKCOPY
データベース内のグローバルデータを、別データベース・またはネームスペースにコピーします。
その際、余計なサイズ(Killされて空いたサイズ)はコピーされないので、データベースの縮小が可能です。
【ご参考】
【FAQ】データベースファイル IRIS.DAT のサイズを小さくするにはどうすればいいですか?
★^GETPPGINFO
現在の全てのプロセスプライベートグローバルの名前およびそれらのスペース割り当てをブロック単位で表示します。
【ご参考】
IRISTEMPデータベースでどの一時グローバルがサイズ消費しているかを特定する方法
プロセス・プライベート・グローバルとは
★^%GCMP
2つのグローバルに違いがないか内容を比較をします。
【ご参考】
2つのグローバルの内容を比較する方法
★^%GSIZE
ネームスペース内の各グローバルのデータサイズを確認します。
管理ポータル:
システム管理 > 構成 > ローカルデータベース > グローバル
【ご参考】
各グローバルのデータサイズを調べる方法
^%GSIZE で出力される各項目の意味
★^INTEGRIT
データベースのセット、またはデータベース内のグローバルのサブセットの構造的な整合性を検証します
管理ポータル:
システムオペレーション > データベース > 整合性チェック
★^JOBEXAM
プロセス一覧を表示します。各プロセス詳細の表示や停止も行えます。
管理ポータル:
システムオペレーション > プロセス
★^JOURNAL
ジャーナリングを構成します。
^JOURNALユーティリティには以下のようなメニューがあります。
%SYS>do ^JOURNAL
1) Begin Journaling (^JRNSTART) // ジャーナリングの開始
2) Stop Journaling (^JRNSTOP) // ジャーナリングの停止
3) Switch Journal File (^JRNSWTCH) // ジャーナルファイルの切り替え
4) Restore Globals From Journal (^JRNRESTO) // ジャーナルファイルのリストア
5) Display Journal File (^JRNDUMP) // ジャーナルファイルの表示
6) Purge Journal Files (PURGE^JOURNAL) // ジャーナルファイルの削除
7) Edit Journal Properties (^JRNOPTS) // ジャーナルオプションの変更
8) Activate or Deactivate Journal Encryption (ENCRYPT^JOURNAL()) // ジャーナルファイル暗号化の Activate/Deactivate
9) Display Journal status (Status^JOURNAL) // 現在のジャーナル状態の表示
10) -not available-
11) -not available-
12) Journal catch-up for mirrored databases (MirrorCatchup^JRNRESTO) // ミラーデータベースのジャーナルキャッチアップ
13) -not available-
管理ポータル:
システム管理 > 構成 > システム構成 > ジャーナル設定
システムオペレーション > ジャーナル
★^LOCKTAB
現在使用しているロック情報の表示と削除を行います。
管理ポータル:
システムオペレーション > ロック 【ご参考】
プログラム内でロック情報を取得する方法
★^mgstat
サンプリング周期(既定は2秒)単位でグローバルアクセスのカウンター情報を連続してファイルに記録します。
^mgstat は、^SystemPerformance ユーティリティを実行した場合にも実行され、HTML パフォーマンスレポートに含められます。
【ご参考】
Grafana ベースの mgstat(InterSystems Caché / Ensemble / HealthShareのシステム監視ツール)用 GUI
★^MIRROR
ミラーリング構成、管理、およびステータスの操作などを行います。
管理ポータル:
システム管理 > 構成 > ミラー設定【ご参考】
データベースミラーリングを使用した HA および DR の構成例
パフォーマンス101
ミラージャーナルファイルの削除のタイミングと要件
ミラーリングの機能について
★^MONMGR
IRISインスタンスのメッセージログ(messages.log)を監視して、システムからレポートされたアラートを検出し、通知を生成したり(alert.log)、電子メールを送信します。
【ご参考】
メッセージログ(messages.log) のログ深刻度が 2 以上でメールを送るようにする方法
★^SECURITY
IRISセキュリティが適切に機能するのに必須のデータの設定とメンテナンスを実行します。
^SECURITYユーティリティには以下のようなメニューがあります。
%SYS>do ^SECURITY
1) User setup // ユーザ定義の表示、追加、編集を行います
2) Role setup // ロール定義の表示、追加、編集を行います
3) Service setup // サービス定義を表示または編集します
4) Resource setup // リソース定義の表示、追加、編集を行います
5) Application setup // アプリケーション定義の表示、追加、編集を行います
6) Auditing setup // 監査ログの閲覧や、エクスポートを行います
8) SSL configuration setup // SSL/TLS 構成の表示、追加、編集を行います
9) Mobile phone service provider setup // 携帯電話サービスプロバイダ定義を表示または編集します
10) OpenAM Identity Services setup // OpenAM ID サービスを設定します
11) Encryption key setup // データベース暗号化キーファイルの作成や管理を行います
12) System parameter setup // システムワイドセキュリティパラメータの参照と編集を行います
13) X509 User setup // ウェブサービスセキュリティで使用する X.509 認証情報の表示、追加、編集を行います
14) KMIP server setup // KMIP(Key Management Interoperability Protocol) サーバの管理・構成を行います
15) Exit
管理ポータル:
システム管理 > セキュリティ【ご参考】
CSP/RESTアプリケーションに接続できません。どのように調査すれば良いですか?
セキュリティ設定のエクスポートとインポートに関するTips
★^%SS
現システムでアクティブな各プロセスの状態の情報を一覧表示します(参照機能のみ)。
各プロセスの詳細情報を表示したり、プロセスを終了したい場合は ^JOBEXAM を使用します。
管理ポータル:
システムオペレーション > プロセス
★^SystemCheck
IRISが使用しているプロセスの状態や共有メモリなどの情報収集を行います。
トラブル発生時には、まずこちらの診断レポート情報(^SystemCheck)を取得していただきます。
※Caché/Ensemble では ^Buttons というユーティリティ名でした
実行方法は以下のようになります。
%SYS>do ^SystemCheck
Diagnostic Report Build # 087 Evidence Logging Tool
This reporting tool provides the information required for InterSystems
Technical Support to analyze most issues. Please send the resulting file with
each and every new problem sent to Support.
This process will take approximately 5 minutes to complete. Please be patient.
Continue (Y)? y // Enter 押下または yes(y) を指定します
Report Interoperability-specific info? [No] n //no(n) を指定します
Collecting information, please do not interrupt this process.
Please wait approximately 30 seconds for %SS snapshots.
Please wait approximately 1 minute for "irisstat" snapshots.
GloStat information now being collected.
Please wait approximately 1 minute and 40 seconds.
FTP the following files to ISC Support:
c:\intersystems\iris\mgr\***202208260909.html in text mode - 579,486 bytes
%SYS>
// <インストールディレクトリ>\mgr 下にhtmlファイルが出力されます。***部分は使用されているライセンスにより異なります
システムがハング状態になるなどしてターミナルが開けない場合は、Windowsコマンドプロンプトより IRISHung.cmd (Linux系は IRISHung.sh) を実行します。
数分後、<IRISインストールディレクトリ>\mgr 下に、IRISHung_mmss.html ファイルが生成されます。
C:\>cd /intersystems/iris/bin // <インストールディレクトリ>\bin に移動
C:\InterSystems\IRIS\bin>IRISHung.cmd
Full name of InterSystems IRIS directory: C:\InterSystems\IRIS // IRISインストールディレクトリを入力
Writing information to "C:\InterSystems\IRIS\Mgr\IRISHung_mmss.html"
Please wait...
Log file saved to:
"C:\InterSystems\IRIS\Mgr\IRISHung_mmss.html"
File size is ***** bytes long
C:\InterSystems\IRIS\bin>
【ご参考】
InterSystems IRISトラブル対応ガイド~情報収集編~(^SystemCheck/IRISHungの使い方)
※P.7 (1).診断レポート(^SystemCheck)の実行
【IRISベース】トラブル発生時の情報収集方法(IRIS / IRIS for Health / UCR 編)
★^SystemPerformance
IRIS インスタンスおよびインスタンスが稼働するプラットフォームに関する詳細なパフォーマンスデータを収集します。
※Caché/Ensemble では ^pButtons というユーティリティ名でした。【ご参考】
InterSystemsデータプラットフォームとパフォーマンス – パート1
InterSystemsデータプラットフォームとパフォーマンス – パート2
InterSystemsデータプラットフォームとパフォーマンス –パート3: CPUに注目
★^TASKMGR
ジャーナルのパージや、バックアップの自動実行などのタスクのスケジュールや管理を行います。
管理ポータル:
システムオペレーション > タスク【ご参考】
タスクの起動でエラーが発生した時にメールで通知する方法
ユーティリティ一覧に、^%GCMP を追加しました。