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· 2021年3月10日 9m read

ZPM モジュールの構造: InterSystems ソリューションのパッケージ化。

デベロッパーの皆さん、こんにちは!

最近、当社は InterSystems Package Manager (ZPM) をリリースしました。 ZPM を開発した理由の 1 つは、ソリューションをパッケージ化して ZPM レジストリに提出することにより、そのデプロイを「install xxx package」のようなコマンドを実行するだけの単純な作業にするためです。

これを行うには、InterSystems IRIS パッケージの中身を説明する module.xml ファイルをリポジトリに導入する必要があります。

この記事では、module.xml ファイルの異なる構成要素を説明し、独自のファイルを作成する方法をご紹介します。

まずは、samples-objectscript パッケージから始めます。以下のコマンドを実行すれば、IRIS に ObjectScript のサンプルアプリケーションがインストールされます。

zpm: USER>install samples-objectscript

おそらく、これほどシンプルなパッケージはないと思います。以下は、パッケージの中身を説明する module.xml です。


<Export generator="Cache" version="25">
  <Document name="samples-objectscript.ZPM">
    <Module>
      <Name>samples-objectscript</Name>
      <Version>1.0.0</Version>
      <Packaging>module</Packaging>
      <SourcesRoot>src</SourcesRoot>
      <Resource Name="ObjectScript.PKG"/>
    </Module>
  </Document>
</Export>

それでは、文書の中身を一行ずつ見ていきましょう。

module.xml は、Cache/IRIS の XML 文書のファミリーに属しているため、この行はその関係性を示すもので、内部ライブラリがこの文書を認識できるようにしています。

次のセクションはこちら。  

 

パッケージには名前を付けます。 名前には小文字と「-」の記号を含めることができます。 (この場合なら samples-objectscript)。 パッケージ名は、拡張子に「.ZPM」を使い、Document タグの name 節に入れてください。

Document の内部要素は以下の通りです。

- パッケージ名。 今回は、

<Name>samples-objectscript</Name>

- パッケージバージョン。 今回は、

<Version>1.0.0</Version>

モジュール - パッケージの種類。 モジュールパラメーターは以下のように入力します。

<Packaging>module</Packaging>

- ZPM がインポートする ObjectScript を探すフォルダー。 

今回は「/src」フォルダーで ObjectScript を探すよう指示します。

<SourcesRoot>src</SourcesRoot>

- インポートする ObjectScript の要素。 パッケージやクラス、include、グローバル、dfi などが含まれます。 

SourceRoot フォルダー以下の構造は次のようになります。

/cls - Folder=Package 内にある Class=file.cls 形式のすべての ObjectScript クラス。 サブパッケージはサブフォルダーです。

/inc - file.inc 形式のすべての include ファイル。

/mac - すべての mac ルーチン。 

/int - すべての「中間」ルーチン (別名「他のコード」、mac コードをコンパイルした結果、またはクラスやマクロを持たない ObjectScirpt)。

/gbl - XML 形式でエクスポートされるすべてのグローバル。

/dfi - XML 形式でエクスポートするすべての DFI ファイル。 各ピボットは pivot.dfi ファイルに、各ダッシュボードは dashboard.dfi ファイルに作成されます。

例えば、 ObjectScript ページをインポートするとします。 これをうけて、ZPM は /src/cls/ObjectScript フォルダーの中を見て、そこからすべてのクラスをインポートします。

<Resource Name="ObjectScript.PKG"/>

なので、 パッケージ化するソリューションを作成するには、ObjectScript クラスを「/cls」フォルダー内にあるリポジトリのいずれかのフォルダーに入れ、すべてのパッケージとクラスを class=file.cls 形式の package=folder に入れます。

クラスを違うかたちでリポジトリに保管したいけれども、いちいち手作業で ObjectScript 用に適切なフォルダー構造を作成するのは避けたいという場合、それを解決してくれるツールはたくさんあります。例えば、Atelier や VSCode Object Script は、まさにその条件が満たされるかたちでクラスをエクスポートしますし、他にはパッケージ化する準備ができているアーチファクトをネームスペースからすべてエクスポートしてくれる isc-dev ユーティリティなどがあります。

mac ルーチンのパッケージ化

これはクラスの場合とよく似ています。 ルーチンを /mac フォルダーに入れるだけです。 例はこちら。


<Export generator="Cache" version="25">
  <Document name="DeepSeeButtons.ZPM">
    <Module>
      <Name>DeepSeeButtons</Name>
      <Version>0.1.7</Version>
      <Packaging>module</Packaging>
      <SourcesRoot>src</SourcesRoot>
      <Resource Name="DeepSeeButtons.mac"/>
    </Module>
  </Document>
</Export>

その他の要素

また、以下のような、オプションとして使える要素もあります。

の要素が含まれる場合があります。

例:

<Author>
        <Organization>InterSystems</Organization>
        <CopyrightDate>2019</CopyrightDate>
      </Author>

 

CSP/Web アプリケーションのパッケージ化

ZPM はウェブアプリケーションもデプロイできます。

これを成功させるには、CSPApplication 要素を CSPApplication パラメーターの節と一緒に導入します。 

例えば、DeepSeeWeb の module.xml にある CSPApplication タグをご覧ください。

<CSPApplication
        Url="/dsw"
        DeployPath="/build"
        SourcePath="${cspdir}/dsw"
        ServeFiles="1"
        Recurse="1"
        CookiePath="/dsw"
       />

この設定により、/dsw という名前のウェブアプリケーションが作成され、リポジトリの /build フォルダーにあるすべてのファイルが IRIS csp ディレクトリの ${cspdir}****/dsw フォルダーにコピーされます。

REST API アプリケーション

これが REST-API アプリケーションである場合、CSPApplication 要素はディスパッチクラスを含み、MDX2JSON module.xml のように構成される可能性があります。

<CSPApplication
    Path="/MDX2JSON"
    Url="/MDX2JSON"
    CookiePath="/MDX2JSON/"
    PasswordAuthEnabled="1"
    UnauthenticatedEnabled="1"
    DispatchClass="MDX2JSON.REST"
    />

依存関係

モジュールをインストールする際には、ターゲットシステムに別のモジュールがインストールされている場合があります。 これは、複数の 要素を含み得る 要素の中にある 要素により 説明されている場合があります。 このそれぞれに、 があり、 また先にインストールされているべき 他のモジュールとそれらのバージョンが記述されています。 こういった状況では、ZPM はモジュールがインストールされているかどうかを確認し、インストールされていなければ、インストールを実行します。

こちらは、DSW モジュールの MDX2JSON モジュールに対する依存関係を示した例です。

<Dependencies>
        <ModuleReference>
          <Name>MDX2JSON</Name>
          <Version>2.2.0</Version>
        </ModuleReference>
      </Dependencies>

以下も依存関係のです。ThirdPartyPortletsSamples BI(holefoods) に依存しています。

<Dependencies>
        <ModuleReference>
          <Name>holefoods</Name>
          <Version>0.1.0</Version>
        </ModuleReference>
      </Dependencies>

また、任意のコードを実行して、データと環境をセットアップするというオプションもあります。これについては、次回の記事で解説します。

独自のパッケージをビルドする方法

それでは、 module.xml ができたら、パッケージをビルドして、module.xml の構造が正しいかどうかをテストすることができます。

テストは、ZPM クライアントを使って実行できます。 ZPM を IRIS システムにインストールし、以下の読み込みコマンドでパッケージのコードを読み込みます。

zpm: NAMESPACE>load path-to-the-project

パスは、パッケージのリソースを含み、かつルートフォルダーに module.xml を持つフォルダーを指しています。 

例えば、 パッケージのビルドは、こちらのプロジェクトを使ってテストできます。 チェックアウトしたら、docker-compose-zpm.yml を使ってコンテナをビルドします。

SAMPLES ネームスペースでターミナルを開き、ZPM を呼び出します。

zpm: SAMPLES>

zpm: SAMPLES>load /iris/app

[samples-objectscript]  Reload START
[samples-objectscript]  Reload SUCCESS
[samples-objectscript]  Module object refreshed.
[samples-objectscript]  Validate START
[samples-objectscript]  Validate SUCCESS
[samples-objectscript]  Compile START
[samples-objectscript]  Compile SUCCESS
[samples-objectscript]  Activate START
[samples-objectscript]  Configure START
[samples-objectscript]  Configure SUCCESS
[samples-objectscript]  Activate SUCCESS

パスが「/iris/app」になっているのは、docker-compose-zpm.yml の中でプロジェクトのルートをコンテナの「/iris/app」フォルダーにマップすると指定しているためです。 したがって、このパスを使えば、ZPM にプロジェクトの読み込み元を指定することができます。

ついに、 読み込みに成功しました。 つまり、パッケージをデベロッパーコミュニティのリポジトリに提出する際にこの module.xml を使えるということです。

以上が、アプリケーションに使う適切な module.xml ファイルを作成する方法です。 

InterSystems コミュニティのリポジトリにアプリケーションを提出する方法

現時点で、要件は 2 つあります。

  1. アプリケーションが Open Exchange に記載されている。

  2. Community Package Manager のリポジトリにアプリケーションを提出することをご希望の方は、私までダイレクトメッセージをお送りいただくか、この記事のコメント欄よりお知らせください。

module.xml が正常に動作していることをご確認ください!)

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