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· 2024年4月7日 8m read

IRIS BI開発者向けチュートリアルを試してみる(3)

はじめに

IRIS BIチュートリアル試してみたシリーズの3回目です。
チュートリアルの「キューブ要素の概要」ページの続きを行います。
前回同様、アナライザを操作しながらキューブの要素について説明していきます。
では、早速はじめていきましょう。

Allメンバ

Allメンバとは、ディメンジョンの中の特殊なメンバ、とでも言えばよいでしょうか。
チュートリアルでは
「All メンバは、ベース・クラスの全レコードを参照します。」
と表現しています。分かったような、分からないような。。
実際に使ってみて、どのようなものか理解を深めましょう。
Patientsキューブでは、AgeD ディメンジョンの中に All Patients という名前で作成されています。
 
画面左上の [新規] ボタンをクリックして、新しいピボットテーブルを作成します。
AgeD ディメンジョンの Age Group レベルを [行] に指定し、メジャーの Patient Count、Avg Age、Avg Test Score を [メジャー]に指定します。
※注意:サンプルデータはランダムに作成されるため、こちらの画面表示とみなさまの実行結果は一致しないことがあります。
では、この状態でピボット・オプション・ボタンをクリックします。画面上側にある、スパナのイラストのアイコンです。
 
オプション設定のダイアログが出てきます。[行オプション] の [集計] のところにチェックを入れ、集計方法のドロップダウンリストは [合計] を選択して [OK] ボタンを押します。
   
そうしますと、ピボットテーブルに合計行が追加されます。

 
Patient Countの足し算をすると、たしかに10,000になります。
ただ、平均値を示している Avg Age や Avg Test Score も、表示されている値をそのまま足し上げています。平均年齢が130.46歳は正しくないですよね。。
再度オプション設定のダイアログを開き、先ほどの [集計] のチェックを外して、いったん元に戻します。
その後に AgeD ディメンジョン配下にある All Patients メンバを [行] にドラッグ&ドロップします。Age Group の下に置きます。
ピボットテーブルに All Patients の行が追加されました。こちらは、Avg Age や Avg Test Score の全体平均値を計算してくれているようです。
別のディメンジョンでも機能するのかを試してみます。ピボット・ビルダ領域の [行] の右端にある × ボタンをクリックし、行の設定をクリアします。
 
設定がクリアできたら、DiagD ディメンジョンの Diagnoses レベルを [行] に設定し、さらに先ほどの All Patients も設定します。
 診断結果ごとの集計値と、全体の集計値が表示されました。 ディメンジョンは変わりましたが、All Patientsの値は同じですね。

階層

続いては、階層についての説明です。ディメンジョンのレベルの上下関係、とでもいえますでしょうか。
例えば、地理的な階層であれば 国→都道府県→市区町村 という順序でレベルが詳細化していきますし、時間的な階層でしたら 年→四半期→月→日 といった感じです。
早速アナライザで試してみましょう。[新規] ボタンをクリックして、新しいピボットテーブルを作成し、BirthD ディメンジョンにある Decade レベルを [行] に指定します。
 
患者の誕生年を10年刻みで集計(患者数のカウント)しました。では、このピボットテーブルの 1950s のところをダブルクリックします。
 
1950年代の詳細(年ごと)にドリルダウンしました。さらに、ピボットテーブルの 1950 のところをダブルクリックします。
 
1950年生まれの患者で、四半期ごとに集計するレベルにドリルダウンしました。さらにドリルダウンします。Q1 1950 をダブルクリックします。
 
1950年第1四半期に生まれた患者を、月ごとに集計しました。まだまだドリルダウンします。Jan-1950 をダブルクリックします。
 
年月日のレベルまでドリルダウンしました。
ドリルダウンは対象のレベルをダブルクリックしますが、1つ上のレベルに戻る(ドリルアップ)は、レベルの左側にある ◀ をクリックします。
上の画面のどこかの ◀ をクリックしますと、、
 
年月のレベルにドリルアップしました。
また、ピボット・ビルダ領域にある [ドリル・ダウン] の設定を解除することでドリルアップすることも可能です。Quarter Yearの設定アイコンにある × をクリックしてみます。

 
年・四半期レベルにドリルアップしました。

 

リスト

続いて説明するのは、リスト表示の機能です。ピボットテーブル内の特定の条件に合致するリストを表示します。
では、早速試してみます。[新規] ボタンでピボットテーブルを新規作成します。
[メジャー] にPatient Count と Avg Test Score を指定し、 [列] に AgeD ディメンジョンの Age レベルにある 0 と 1 のメンバを指定します。
さらに [行] のところに、BirthTD ディメンジョンの Birth Time レベルを指定します。
作成されたピボットテーブルの中で、Birth Timeが 12am、Ageが 0 の Patient Countのセルをクリックします。
その後に、ピボット・ビルダ領域にある リスト表示ボタンをクリックします。双眼鏡のアイコンです。

 
そうしますと、選択したセルの条件(Birth Time=12am、Age=0)に該当する患者のリストが表示されました。5人患者がいたので、5行のリストです。
また、リスト表示のボタンは、ピボットテーブル表示のボタンに切り替わります。ピボットテーブルに戻りたいときはこちらをクリックします。

   
ピボットテーブル表示ボタンをクリックして、元の表示(ピボットテーブル)に戻します。その上で、オプション設定ボタン(スパナのアイコン)をクリックして、オプション設定のダイアログを開きます。
ダイアログの中ほどにある [詳細リスト] のドロップダウンリストから Doctor details を選択し、[OK] で設定を変更します。
   
では、この状態で再びリスト表示を行ってみます。該当のセルを選択し、リスト表示ボタンをクリックしますと、、
 
先ほどとは異なるリストが表示されました。
表示されるリストの設定は、キューブ作成時にアーキテクト画面から行います。

フィルタおよびメンバ

ここまではキューブに入っているデータを全件使って操作してきました。
実際の分析を行うシーンでは、特定の条件に絞り込んでデータ分析を行うことが多いはずです。ここではフィルタの設定のしかたを試していきます。
[新規] ボタンでピボットテーブルを新規作成し、ColorD ディメンジョンの Favorite Color レベルを [行]に設定します。
 
この状態で Favorite Color レベルを展開し、Red メンバを [フィルタ] にドラッグ&ドロップします。
そうしますと、Favorite ColorがRedのデータだけにフィルタされます。
この状態でディメンジョンを変更してみます。[行] のFavorite Color を×で削除し、代わりに AgeD の Age Group レベルを設定します。
 先ほどと同じ1,287(548+526+213)なので、フィルタが効いた状態になっていることが分かります。

フィルタおよび検索可能メジャー

先ほどはメンバの値を使用したシンプルなフィルタの方法を試しましたが、メジャーの値でデータをフィルタする方法は無いのでしょうか?
そのような場合には、「高度なフィルタのエディタ」を使用して設定します。
[新規] ボタンでピボットテーブルを新規作成します。続いてピボット・ビルダ領域の [フィルタ] にある詳細オプションボタンをクリックします。歯車のアイコンです。
 
「高度なフィルタのエディタ」ダイアログが開きました。左側にある [条件を追加] ボタンをクリックします。

 
条件設定の式が右側に表示されました。この式の設定を順次変えていきます。
まず、フィルタ項目の指定を行いますので、[Age Group] をクリックします。

 
左側にドロップダウンリストが現れました。このリストから Measures.Encounter Count を選択します。
 
フィルタ対象項目が Measures.Encounter Count にさし替わりました。それに伴って演算子の表示も変わりました。
続いて演算子の指定をします。条件式の [=] をクリックします。

 
フィルタ条件として、受診回数が10回以上の患者とするため、左側の選択肢から [>=] をクリックします。右側の演算子も >= に置き換わります。
 
最後に数値を変更します。数式の [0] をクリックすると、右側に数値入力のボックスが表示されますので、 10 と入力して [適用] ボタンをクリックします。

 
10 が条件に設定されました。これでフィルタ条件を指定できましたので [OK] をクリックします。
 
そうしますと、受診回数が10回以上の患者のカウントが表示されます。[フィルタ] 欄には、高度なフィルタ と表示されます。

ここにディメンジョンを追加してみます。AgeD ディメンジョンの Age Group レベルを [行] に追加します。
また、総合計も表示したいので、ピボットテーブルのオプション設定から、行オプションの [集計] で合計するように指定します。

Age Groupごとに、受診回数10回以上の患者数が集計されました。合計値も、先ほどのものと一致しています。

おわりに

前回と今回の2回で、アナライザ画面の基本的な操作方法や、キューブの構成要素について学んできました。
次回からは、いよいよアーキテクト画面を使用してキューブを作成していきます。お楽しみに!

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