記事
· 2024年5月19日 7m read

IRIS BI開発者向けチュートリアルを試してみる(10)

はじめに

IRIS BIチュートリアル試してみたシリーズの10回目です。
今回はチュートリアル最後のページ「ピボット・テーブルおよびダッシュボードの作成とパッケージ化」についてです。
これまでアーキテクトとアナライザを使用してきましたが、今回はユーザポータル画面を使ってダッシュボードを作成していきます。
では、早速はじめていきましょう。

ピボット・テーブルの作成

ダッシュボードはピボットテーブルをソースデータとして作成することができます。ですので、まずはソースとなるピボットテーブルを作成します。
アナライザ画面を開き、Tutorial キューブを開きます。
AgeD ディメンジョン内の Age Group レベルを [行] にドラッグ&ドロップし、続いて Age Bucket レベルを Age Group レベルの矢印記号 ↘ のところにドラッグ&ドロップします。
 
そうしますと、Age Group レベルの隣に Age Bucket レベルが表示されます。[行] の表示も、Age Bucket レベルが一段下げられた形で表示されています。

※注意:サンプルデータはランダムに作成されるため、こちらの画面表示とみなさまの実行結果は一致しないことがあります。
 
さらに Count メジャーを [列] に追加し、All Patients メンバを [行] に追加します。
All Patients をドラッグ&ドロップする場所ですが、2つある「行をここにドロップ」のうちの下の方になります。Age Group と同じレベルになるところです。
 
そうしますと、以下のようなピボットテーブルができあがります。

 
では、このピボットテーブルに名前を付けて保存します。画面上部の [保存] ボタンをクリックしてダイアログを開きます。
ダイアログにて、[フォルダ] に Tutorial 、[ピボット名] に Patients by Age Group と入力して保存します。
 
保存のメッセージが表示されたら完了です。

 
では、もう1つピボットテーブルを作ります。[新規] ボタンで新しい画面を開き、以下のように設定します。

  • 行:Diagnoses レベル(DiagD ディメンジョン)
  • 列:Count メジャー、Avg Age メジャー

以下のような感じのピボットテーブルになります。
 
こちらも名前を付けて保存します。[フォルダ] は Tutorial 、[ピボット名] は Patients by Diagnosis とします。
 
これでダッシュボード作成に必要なアイテムが揃いました。

ダッシュボードの作成

ダッシュボードの作成はユーザーポータル画面から行います。管理ポータルより Analytics → ユーザポータル と選択します。
 
以下のような画面が表示されます。既にいくつかのダッシュボードがありますね。

これらは1回目の記事でチュートリアルの準備作業を実施したときに作成されたものです。ダッシュボード作成時の参考になりますので、お時間のある時にのぞいてみてください。
では、新しいダッシュボードを作成します。画面左上の [メニュー] リンクをクリックし、 [新規ダッシュボード] を選択します。
 
ダイアログが開いたら、[フォルダ] に Tutorial を入力(またはドロップダウンリストから選択)し、[ダッシュボード名] に Sample Dashboard と入力して [OK] をクリックします。
 
そうしますと、空のダッシュボード画面が表示されます。
ダッシュボード・エディターのメニューを表示するには、画面左端にある [>] のところをクリックします。 
 
ダッシュボード・エディターのメニューが出てきました。まずウィジェットの設定を行いますので、[ウィジェット] をクリックします。

 
ウィジェットのメニューが表示されます。ここではダッシュボードに使われているウィジェットのリストが表示されますが、作成したばかりですので今はなにもありません。
画面上部の [+] をクリックしてウィジェットの追加設定をしていきます。

 
ウィジェット・ウィザードのダイアログが開きます。左側のメニューから [ピボットとグラフ] をクリックします。
 
展開されたメニューから、[テーブル] を選択します。

 
データソースの指定を行います。虫眼鏡アイコンをクリックします。

 
選択ダイアログから Tutorial → Patients by Age Group と選択します。

 
データソースが設定されます。[OK] で完了します。

 
もし、以下のダイアログが表示されたら、[Reload] をクリックします。

 
先ほど作成したピボットテーブルが画面に表示されました。これで Patients by Age Group の追加は完了です。

 
続いて、もう1つのピボットテーブル Patients by Diagnosis も追加します。先ほどと同様の手順ですが、ピボットテーブルの選択のみ異なります。

 
Patients by Diagnosis ピボットテーブルの追加もできました。が、画面では Patients by Diagnosis しか表示されていません。

 
これは、先に設定した Patients by Age Group の上にかぶさるように Patients by Diagnosis が表示されているためです。
Patients by Diagnosis の上部(メニューバー)にマウスカーソルを合わせるとアイコンが上下左右の矢印に変わりますので、その場所でドラッグし、ピボットテーブル全体を下の方にずらしていきます。
 
これで、隠れていた Patients by Age Group も表示されました。

 
また、各ウィジェットの右下のところをドラッグしながら、ウィジェットのサイズを変えることができます。
 
では、この状態でダッシュボードを保存します。画面上部の [保存] リンクをクリックします。
 
保存されました、というダイアログ等の表示はありません。ただし、先ほどまで表示されていた「変更されました」が消えました。未保存の変更が無くなったということです。
 

続いては、このダッシュボードにフィルタのコントロールを追加します。

ダッシュボード・エディターを開き、ウィジェットの一覧から ウィジェット1(Patients by Age Group)を選択します。
 
ウィジェット1のメニューから [コントロール] メニューをクリックします。
 
コントロールの追加を行いますので、画面上部の [+] をクリックします。
 
コントロール・ウィザードのダイアログが表示されますので、以下のように設定します。ドロップダウンリストから選択可能なものは、選択して設定します。

  • 場所:ダッシュボード
  • ターゲット:* 
  • アクション:フィルタを適用
  • フィルタ:ZIP Code
  • ラベルまたはアイコンを制御:ZIP Code

 
[OK] で設定を完了すると、ダッシュボード画面にフィルタコントロールが追加されます。
 
同様に Allergies と Favorite Color のフィルタを追加します。コントロール上部の [+] から足していきます。

 
 
3つのフィルタコントロールを追加した画面は、以下のようになります。
 

作成した各々のフィルタに規定値を設定します。先ほどのコントロールのメニューまで進み、ZIP Code をクリックします。
 
ZIP Code のコントロール設定メニューが表示されました。この中の [デフォルト値] の虫眼鏡アイコンをクリックします。
 
デフォルト値エディタのダイアログが開きます。[フィルタの値を選択] の横にある虫眼鏡アイコンをクリックします。

 
ZIP Code のメンバ値が一覧表示されます。今回は 32007 を既定値としますので、32007 にチェックを入れ、上部の ✓ アイコンをクリックします。

 
32007の値が設定できたら、[OK] で完了します。

 
もし、以下のダイアログが表示されたら [Leave] をクリックします。

 
ZIP Code の既定値に 32007 が設定されました。また、ピボットテーブルも、その条件によりフィルタされた値に変わりました。

 
同様に、Allergies フィルタには既定値として「soy」を、Favorite Color フィルタには既定値として「Blue」を設定します。
ダッシュボード・エディターのメニューを最初からたどるときは、ウィジェット → ウィジェット1 → コントロール → 設定したいフィルタコントロール と選んでいきます。
最終的な姿は、以下のようになりました。

 
当然、ダッシュボードの上からフィルタ条件の変更は可能です。例えば ZIP Code のフィルタ条件を 32007→34577 に変えてみます。
 
ピボットテーブルの結果が変わったことが分かります。
 

おわりに

今回は、アナライザ画面で作成したピボットテーブルを基に、簡単なダッシュボードを作成しました。また、2つのピボットテーブルに対するフィルタコントロールも追加しました。
今回はピボットテーブルだけでしたが、ウィジェットには各種グラフやスコアカードなど、多様なコントロールが用意されています。それらをうまく組み合わせて、より分かりやすいダッシュボードを作成することが可能です。
次回は、いよいよ最終回となります。最後のトピック「ピボット・テーブルおよびダッシュボードのエクスポートとパッケージ化」について触れます。お楽しみに!

ディスカッション (0)1
続けるにはログインするか新規登録を行ってください