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· 2021年2月24日 3m read

ECPはどのように使うのが正しい?

以下のドキュメントでご紹介しています通り、ECPは分散キャッシュ用のアプリケーションサーバーを並列に増設することで、処理量に応じてスケールアウトすることを主目的として設計されています。

 

ECP機能紹介

 

従ってインターシステムズデータプラットフォーム上で稼働する複数のアプリケーション間の簡便なデータ交換手段としてECPをご使用いただくことは推奨していません。

以下その理由についてご説明します。

データ量の増加、処理量の増加に伴いスケーラビリティに関する要件も今後益々厳しくなる中、将来にわたってより良いスケーラビリティ性能を得られるようインターシステムズの開発部門は、より良いアルゴリズムの開発や処理のチューニングをECPに対して継続的に行っております。


その成果は順次最新バージョンに反映していきます。


従ってある時点での最高のECP性能を得る方法は、アプリケーションサーバーとデータベースサーバーのバージョンをその時点の最新版に揃えることになります。

一方でインターシステムズは、ECPを上記の用途以外で利用することを明確に非推奨とするなどの勧告を過去に行っていなかったため、複数のアプリケーション間でデータをピアツーピアで参照、更新する手段として使われているケースも多く見受けられます。


アプリケーションが異なるとアプリケーション同士のライフサイクルを同期させることは段々難しくなり、結果として複数のデータプラットフォームバージョンが混在した形でECPを利用し、データ交換をしながら運用されることも良くあることだと想定しています。

そのため、アプリケーションが使用するインターシステムズデータプラットフォーム製品のバージョンが厳密に同じででなくてもある程度はECPでデータ交換できるように対応しています。

しかしながらここには性能の強化と互換性の維持の間のトレードオフがあり、ECPの性能を劇的に向上させるために、過去のバージョンとの互換性をあきらめざる得ない場合が多々ありました。

またECPは技術の特性上、蜜結合のデータ交換方法ですが、異なるアプリケーション間のデータ交換は一般的に疎結合が望ましいと言われており、その観点でもご使用はお勧めできません。

特にアプリケーションを開発したベンダーが異なる場合等は、責任境界範囲もあいまいになりがちとなり、障害発生時の原因究明や障害復旧の時間が長引いたりする遠因となります。

疎結合なデータ交換手段として、最近はREST/JSONの使用が普及してきておりますので、そのご使用を推奨いたします。

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