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· 2024年4月1日 5m read

IRIS BI開発者向けチュートリアルを試してみる(2)

はじめに

IRIS BIチュートリアル試してみたシリーズの2回目です。
今回は、前回の作業でセットアップしたサンプルキューブやデータを用いてアナライザを操作します。
アナライザは、IRIS BIのキューブ等を基にピボットテーブルを作成する機能です。Excelのピボットテーブルをご存知でしたらイメージがつきやすいかもしれません。
では、早速はじめていきたいと思います。

アナライザ画面の説明

まずはアナライザ画面を開きます。管理ポータル画面のメニューから、 Analytics → アナライザ を選択します。
 

以下のような画面が表示されます。アナライザ画面は大きく3つの領域から成り立っています。

  • モデル・コンテンツ領域:選択したキューブのコンテンツがリスト表示される
  • ピボット・ビルダ領域:ピボットテーブル作成のための項目を指定する
  • ピボット・プレビュー領域:ピボットテーブルの結果が表示される

 
モデル・コンテンツ領域の説明

まずは、Patientsキューブを使ってモデル・コンテンツ領域を詳しく見ていきます。
モデル・コンテンツ領域にPatientsキューブが開かれていない場合には、領域左上のキューブ型のアイコンをクリックするとキューブ選択のダイアログが開きますので、そこからPatientsキューブを選択します。
 
Patientsキューブが開いたら、まずはメジャーとディメンジョンを見ていきます。
メジャーは、合計や平均などの集計値を計算する項目になります。Patientsキューブでは患者数(Patient Count)や平均年齢(Avg Age)などが定義されています。

 
ディメンジョンは、メジャーを集計する分析軸として用いられる項目になります。患者の年齢群(AgeD)や性別(GenD)などが定義されています。

 
ディメンジョンの中には、レベル、メンバ、プロパティが含まれています。AgeDの▶をクリックするとディメンジョンが展開します。

 
レベルはデータの集約の単位を示し、メンバはその単位でくくられたデータの値そのものを示します。
例えば、AgeDディメンジョンには Age Group、Age Bucket、Age の3つのレベルが含まれています。
Age Groupのレベルを展開すると、0 to 29、30 to 59、60+ の3つのメンバが表示されます。患者を年齢で3つの区分に分類していることになります。
一方、Age Bucketレベルを展開しますと、0 to 9、10 to 19、20 to 29などと10歳きざみでメンバが表示されます。Age Groupよりも細かい単位で分類しています。

プロパティはAgeDディメンジョンには含まれておらず、HomeDディメンジョンのCityレベルに含まれています。これについては、後ほどピボットテーブルを作成しながら説明します。

単純なピボットテーブルの作成

それでは、実際にピボットテーブルを作成してみます。
DiagDディメンジョンのDiagnosesレベルを、ピボット・ビルダ領域の [行] にドラッグ&ドロップします。
 
すると、診断結果(Diagnoses)ごとに集計が実行されます。まだメジャーを指定していないのでファクトテーブルのレコード件数が表示されます。
※注意:サンプルデータはランダムに作成されるため、こちらの画面表示とみなさまの実行結果は一致しないことがあります。
 
次はメジャーを指定します。メジャー項目にある Patient Count と Avg Age を各々 [メジャー] にドラッグ&ドロップします。

診断結果ごとの患者数と、患者の平均年齢が集計されました。
では、この状態のピボットテーブルを保存します。画面上部の [保存] ボタンをクリックするとダイアログが表示されます。
フォルダに「Test」 、ピボット名に「Patients by Diagnosis (Patients Cube)」と入力して、 [OK] ボタンで保存します。
 
念のため、いまのピボットがきちんと保存できているか確認してみます。画面上部の [開く] ボタンをクリックして保存済みのピボットを呼び出します。
Test≫ のところをクリックすると、その右側に Patients by Diagnosis (Patients Cube) が表示されますね。大丈夫です。

 

プロパティ

それでは、プロパティを使用したピボットテーブルを作成してみます。
画面上部の [新規] ボタンをクリックすると、それまでに指定した行・列・メジャーなどがクリアされ初期状態に戻ります。
その次に HomeDディメンジョンを展開、 Cityレベルも展開してから Cityレベルを [行] に指定します。
先ほどと同様にドラッグ&ドロップするか、Cityレベルをダブルクリックすると指定できます。

 
City(市)ごとのレコード件数が表示されました。
では、プロパティである Population と Principal Export を [列] にドラッグ&ドロップします。

 
レコード件数を表示していた「すべて」の列が消え、代わりに Population と Principal Export の値が表示されました。
この2つの項目は、Cityの属性情報(市の人口と主要な輸出品)にあたります。そのような項目をプロパティとして指定します。
Cityに属する情報ですので、他のレベルと組み合わせて使うことはできません。試しに、 [行] のCityを×で削除し、代わりに ZIPを[行]に指定してみます。
 
@NOPROPERTY という表示が出ました。これはZipレベルの各メンバ(32006、32007など)に属するプロパティの値が存在しないことを意味します。
つまり、ZIPレベルでのプロパティではないためエラーになっているということです。

チュートリアルにはありませんが、もう1つ試してみます。Population は数値項目のようですので、これをメジャーに指定したらどうなりますでしょうか?
まず [行] に Cityをドラッグ&ドロップし、[メジャー] に Populationをドラッグ&ドロップしてみます。
 「メジャー・リストにはメジャーのみ配置できます」というエラーが出ました。メジャーとして指定されていない項目は使えないようになっています。

おわりに

今回はアナライザ画面の説明や、モデル・コンテンツ領域にあるメジャー、ディスカッションを用いての単純なピボットテーブル作成方法について説明しました。
次回も引き続きアナライザを使いながら、「キューブ要素の概要」ページで紹介されている他の機能などを紹介していきます。お楽しみに!

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